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2003年1月5日号 
ミラー片手に、歯科医師の本音
「歯科医師会の更なるブランド化を」
デンタルコメンテーター鞍立常行(新潟県小千谷市開業)
 昨年の歯科界は、従来の感覚では考えられないような大きな決定がなされた1年でした。そして今年は、いよいよ実施が迫った社保本人の3割負担を初めとする、更なる大きなうねりに日本の歯科界全体が取り込まれようとしています。そのうねりに巻き込まれて沈むことも、また、そのうねりを利して大きく動き出すことも、その対応の成否でいずれの可能性も、年の初めの今予想されます。
 昨年の1年のいろいろな出来事を見たとき、これを克服する最大のポイントは、今一度、歯科界がいかにして一塊と成りうることが出来るか、そして、その一塊と成り得る軸は、歯科医師会、連盟しかありません。
 しかし、その関係者の懸命な努力にもかかわらず、その軸となるはずの歯科医師会、連盟の組織そのものに、残念ながら陰りが見えてきています。既に、都心部では、診療所の開設増にもかかわらず歯科医師会の会員数が減少と、これからの歯科医師会の行く末を案じるような現象が出現しています。
 これは、もはや、開業年代の歯科医師が、歯科医師会に入会することが、モラルを維持するものでも何でもない、経費が増加するだけのもの、お金にならない時間を浪費するもの、そんな考えのレベルに陥っている、またそうさせている歯科界の現状を表しています。これを克服するには策はあるのでしょうか?一番有効と考えられていた開業規制は、公取委で違法との判断がなされています。
 そこで私はその対策の一例として「日本歯科医師会の更なるブランド化」を提案します。
 まず進めるのは、歯科医師会内の相互的な研鑽と指導の強化です。具体的な施策として、研修事業の充実と、保険指導の徹底です。つまり、歯科医師会会員の全てが、厚労省が口を出せないくらい、内部で研鑽を積み、保険制度の遂行を厳格にしていることによって、歯科医師会の会員であることの有意性を国民に認知させることに全精力を費やすことです。国民、患者は、昨年、日歯が会員に配布した歯科医師会員の看板が掲げてある診療所に行けば、安心して診療が受診できるブランドを構築することです。この徹底は我々にもメリットがあります。いくら内部で指導を厳しくしても自主的な指導、研鑽であって監査ではありません。これを指導、改善する場として考えれば、万一、その後に行政の指導があっても極端に心配することもなくなるわけです。
 ただ、ブランドを国民から認知してもらうまでの時間、厳しいだけでは会員には反発をかうだけで利益を生みません。そこで、現行の歯科医師会の実施している事業、特典を全てもう一度洗い出し、会員と非会員の差別化を再考します。どんな事業でも、これが会員にとってはどれくらい利益になって、非会員だと不利益なるのかをこと細かく検証します。恐らく、日頃気づかないものでも、歯科医師会の会員であることによって得られている、得られそうな恩恵が眠っている可能性があります。一例を挙げれば、昨年、日本歯科医学会への補助を非会員の増加を理由に削減した考えに追随して、歯科医師会会員の割合が何割以下の専門学会は認知しない、また、開業医は歯科医師会の会員でなければ入会出来ないような規定を作らせる。この程度の施策なら、先生方から、溢れるほどのアイデアが沸いてくると思います。そんな小さな差別化を積み重ねることで、歯科医師会の会員のメリットを創り上げるのです。それが出来るのも、現存でも歯科医師会が6万5,000名を擁する、日本の社会にある一定の認知されている組織だからです。従来のように総論、理念だけでは、もはや、その割合が半数を超えた40歳代以下の歯科医師は歯科医師会に付いて来れなくなっているが現状です。
 具体的な、目に見える形、利になるものを提示、実行する。これが、現在、歯科医師会に求められ、それが歯科界を一塊とする基盤となるものと考えます。「歯科医療に株式会社参入?」「来るなら来てみろ!」歯科界が一塊となり、そんな啖呵をこのコラムで私は言ってみたい。
 
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