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今回の改定率は、あくまでも民主党がネットプラス改定に拘わり0.004%というコンマで、そして薬価差額価格で振り分けられた歯科の診療報酬本体は、1.70%引き上げとなりました。これで前回の2.09%プラスと合わせて3.79%、約4%近いプラスです。本来ならば医院経営環境改善にかなりの影響を与えてくれるはずなのですが、前回が前回だっただけに果たしてどうなるのか。論理だってやっているように見えるこの改定率と貼り付け作業は、コンマの世界であっても実際はやってみないと分からないのが正直な気持ちです。
この2年毎の改定が、医療の方向性、流れを作ってきた日本の医療、歯科医療政策の最大のテーマであることはいうまでもありません。そして、現在の歯科医療の窮状を導いてしまった原因の大きな一つが改定率であり、医科歯科格差を導いたその財源を薬価差額の振り分けで求めた結果です。しかし、財務省は、今回その薬価差額さえも全てを技術料に振り分けることに難色を示しました。
実は今回の改定率決定のプロセスの中で、前回認められた医科歯科と異なった技術料比率の堅持、そして、薬価差額分を歯科にも医科並みに同等に振り分けられるか否かということが非常に注目されたポイントでした。結果は、前回の1:1.2には及ばなかったものの引き続き歯科の特殊性が認められ、また、薬価差額に対しても医科歯科同等の扱いとなりました。ここから、想像するしかありませんが歯科界独自の動きがあったことを感じます。このコンマいくつかの攻防をしている予算編成の中で、かつ、この部分では医科歯科が対立関係になるという、今までの改定率とは異なった動きがあったことは、今後も改定へ新たな形での取り組みを考えなければいけないことを示すことになりました。
その一方、これだけ厳しい財政状況の中で、今後も改定率アップだけで現在の歯科医療環境改善することは不可能です。これからの歯科医療全般の推移を見据えて、社会保障全体の中での歯科医療がどうあるべきか、その為に、一つ一つの政策をどう積み上げていくことを並行的に進めなければ、到底ここまで落ち込んだ状況からの脱局は難しくなったのも、今回の改定率の結果での感想です。
その意味からも、今年の政局動向の最大関心事である社会保障と税の一体改革の議論は、歯科界においても重大なテーマです。恐らく、個々の具体的な政策に対しては変更があっても、患者が保険証1枚で自由に医療機関を受診できるフリーアクセスを国民の共有財産として、社会保障の需要・供給両面で経済成長も寄与する機能を有していると位置づけた、既に示された素案の基本理念が骨格となって進んでいくものと思われます。
そして、その中でも、地域全体とした医療と介護の連携、また役割分担を考えた流れにかに歯科がどのように組み込まれるかは、ある意味改定率以上にこれからの歯科の将来を決定づけるポイントになってきました。
医療保険制度の中に一部含まれた介護分野を分け、新たに介護保険を創設し、今度は二つの制度となって同じ方向性を目指すという、結果的に広義の医療全体のパイを広げることになりました。介護保険創設に積極的に取り組んできた医科の目的が功を奏した形です。果たして、歯科における医療と介護の連携、役割分担への展望はどう考えれば良いのでしょうか。W改定と注目されながら1.2%プラスとなった介護保険の結果について歯科界の反応が殆どないのが気にかかります。
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