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歯科関連ニュース 2009年12月9日(水)

歯科医が訪問 口腔ケア 誤嚥性肺炎の予防効果も

 口の中を清潔に保ったり、のみ込む力を鍛えたりする「口腔(こうくう)ケア・嚥下(えんげ)リハビリ」が、高齢者の肺炎予防などに効果があると注目されている。歯科医の間で、口腔ケアや嚥下を重視した訪問診療を広げる動きも強まり、11月には全国組織が発足した。(読売新聞針原陽子)
■食べられるように
 千葉県松戸市のマンションの一室。介護ベッドの背もたれを少し起こした状態の男性(73)が、介護者の妻(71)の手を借りてプリンを食べていた。歯科医の大石善也さん(49)が、そののど元に聴診器を当てて、のどの状態や呼吸の様子を確かめる。男性と妻には「口に入れて早くのみ込むと、少し気管に入ってしまう感じです。ちょっとためてから飲めるよう練習しましょう」と助言した。
 男性は7年前に脳出血で倒れ、現在は寝たきり。この5年間ほど経管栄養などに頼っていたが、嚥下リハビリを受け始めて少しずつ食べられるようになった。妻は「意識と表情がはっきりしてきた。本人も楽しみが増えたでしょう」と喜ぶ。
 同県柏市内で開業する大石さんは、外来を休む週1日半と昼休みを使い、歯科衛生士9人とともに、老人保健施設(老健)などの施設や在宅高齢者ら約170人の訪問診療を担当する。
 1回1時間。衛生士が歯や歯茎、舌などをきれいにする口腔ケアに30分を、歯科医による聞き取り、のみ込みのチェックやリハビリに30分を充てる。
 家族を介して訪問看護師や往診の医師と連携を取ったり、同じ時間帯に訪れるヘルパーに口腔ケアのやり方を指導したりすることもある。大石さんは「高齢化によって要介護状態で自宅や施設で長く暮らす人はますます増える。歯科の訪問をもっと増やす必要がある」と訴える。
■医師の連絡会発足
 口腔ケアを行えば、細菌の多い唾液(だえき)などが気管に入って起こる「誤嚥性肺炎」の発症率が、ケアをしない人の半分以下に減ることがわかっている。食べることで栄養状態や意欲が向上することも知られる。
 これらを踏まえて「在宅療養支援歯科診療所」が設けられたのは2008年4月。在宅で療養する人を24時間体制で支えるもので、診療報酬でも、75歳以上の患者を訪問したら月1回は算定できる管理料などが認められた。
 しかし、口腔ケアや嚥下リハビリを重視する歯科医はまだまだ少なく、患者も必要性をあまり知らない。こうした現状を変えるため、大石さんら訪問診療に力を入れる開業医と、大学や病院の歯科医の有志が今年11月、「全国在宅歯科医療・口腔ケア連絡会」を発足させた。
 連絡会では今後、専門的に訪問診療を手がける医師のデータベースを作成するほか、各地域に活動拠点も設置。往診を行う医科のネットワーク「全国在宅療養支援診療所連絡会」などの他業種との連携も模索する考えだ。
 在宅医療に詳しい辻哲夫・東京大学教授(高齢者政策)は「口から食べることにより体力がつき、生活の質も上がることから、歯科が医科と連携することが重要。歯科が、在宅高齢者へのケアを重視するようになったことは、時代のニーズにこたえた取り組みだ」と評価している。

(元気のひけつ)歯と口のケア 飲食や呼吸法にも注意

 虫歯が痛くなったら駆け込んで、当座の治療が終わったら、しばらくサヨウナラ。歯医者さんはそんな存在、という人もいるのでは。しかし、その認識は大きな間違い。歯の健康維持に第一線で携わる歯科衛生士の土屋和子さんに、歯と口の手入れのポイントを教えていただきました。
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 歯科衛生士の仕事は、虫歯や歯周病など歯の病気予防やケアのため、歯石除去から生活指導まで多岐にわたる。土屋さんはキャリア30年以上。土屋さんが週2回勤務する東京都世田谷区の歯科医院で、私自身(記者)の歯の手入れ状況を見てもらった。
 2年前、近所の歯科で唾液(だえき)検査をしたら、細菌が多く、「高リスクの歯」と警告された。親知らずを抜き、懸案の虫歯の治療が済むと、気合を入れて歯磨きをするかしないかはその日の気分任せになっていた。
 「うーん」。X線写真を見て、口の中をのぞき込むなり、土屋さんの表情が険しくなった。歯と歯の間や歯の付け根に相当の磨き残しがある様子。「食べもののごみが3日間歯に残ってしまうと、歯石化しやすくなります。プロでも1回ではなかなか取り除けません」と注意された。
 「歯ブラシの使い方が悪いですね。奥歯のほお側は、口を閉じないと、うまく磨けないんですよ」
 土屋さんによれば、歯磨きだけでは問題は解決しない。飲食のしかたや呼吸法など、日々の生活習慣も、歯の健康に大きくかかわる。口の中の水素イオン濃度(pH)と唾液の巡りがポイントだ。
 食べものを口に含むと、食べ物や細菌の働きで、ふだんは中性(pH7程度)の口の中が一時的に酸性(pH4~5程度)になり、歯の表面のエナメル質が溶け出して虫歯になりやすくなる。しばらく飲まず食わずだと中性に戻るが、この時間が十分にないと、歯は常に酸性でリスクの高い状態にさらされる。
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 食後のコーヒーも、砂糖やミルクを入れるか、入れないか、一気に飲み干すか、少しずつ時間をかけて飲むかでリスクが違う。
 幼い頃、アレルギー性鼻炎と診断された私は、体調を崩すと鼻風邪を引きずり、ついつい口呼吸になりがち。これも、口の中を湿った状態に保てず、歯と歯茎、粘膜に良くない。口の中の粘膜の洗浄や抗菌作用という役割がある唾液が、口の中を巡ることができず、雑菌が繁殖しやすくなるという。
 土屋さんによるチェックは散々な結果に終わり、めげる。
 でも、日本歯科医師会によれば、沖縄県の40歳以上の住民約5,000人の調査では、特に男性で、健康な歯が多い人ほど寿命が長かったというから、歯と口の健康を取り戻すために心を入れ替えよう。
 土屋さんから、歯磨きの前後に舌で歯の汚れを確認したり、ほおの裏側を舌で刺激したりして、唾液の出を良くしたりするように助言された。忙しい人の歯間掃除は、歯間掃除用の細い糸(デンタルフロス)より、歯といっしょに歯間を磨ける超極細毛の歯ブラシがいいと勧めてもいただいた。
 (朝日新聞熊井洋美)

えんげ障害と口腔ケア紹介 「めざましの会」が講演会 高岡

 重度障害者と意識障害者のより良い生活の実現を目指す高岡市の「めざましの会」は6日、同市博労本町の市ふれあい福祉センターで講演会「食べるをあきらめない 口腔(こうくう)ケアとえんげ障害」を開いた。北日本新聞社後援。
 えんげ障害は脳の機能障害などが原因となり、ものをかんだり飲み込むことが困難になること。大阪大大学院歯学研究科の舘村卓・准教授が講師を務めた。「呼吸の安全確保などに十分注意しながら食べることが大切」と述べ、誤って飲食物やだ液が気管に入らないようにする食べ方や、正しい口腔ケアの仕方などを紹介した。

歯の大切さ学ぶ/JA東京スマイル足立地区女性部

 <東京スマイル>JA東京スマイル足立地区女性部はこのほど、足立区の北綾瀬支店で、健康教室を開いた。(株)サンギの福田章・専務が「歯は健康の源」と題し説明した。
 福田専務は、乳歯や永久歯の本数や口内細菌、歯の磨き方などユーモアを交えながら紹介。参加者は「何分ぐらい磨けばいいのでしょう」など、盛んに質問した。
 女性部の新井和子・部長は「話を聞いて歯の大切さを学びました」と話していた。

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