遺言のポイント
vol.10 遺言信託とは?
遺言信託とは、遺言に関する事前の相談から、公正証書遺言の保管、遺言の執行までを総合的にサポートする業務のことです。信託会社が遺言の執行者となることで、遺産配分などを遺言通りに確実に実行できるメリットがあります。
遺言信託の流れ
遺言信託は、大体次のような流れで行われます。
- 遺言者の生前
- ①遺言についての事前相談
- ②公正証書遺言作成のサポート
- ③遺言の保管・管理
- ④遺言保管期間中の異動・変更などに関する定期的な照会
- 遺言者の死亡後
- ⑤遺言者が指定した通知人が、信託会社に死亡を通知
- ⑥遺言書の開示
- ⑦遺言執行者就任の通知
- ⑧遺産調査、財産目録の作成・交付
- ⑨遺言の執行
- ⑩遺言執行終了の報告
※一般的に、遺言信託の業務には、相続人の廃除や相続権に絡む子の認知などは含まれません
※相続人の遺留分を侵害する遺言など、トラブル発生の可能性が高いものも利用できない場合があります
遺言信託の費用
信託会社によって異なりますが、おおむねの目安は以下の通りと言われています。
- 契約時の手数料
- 約30万円〜50万円
- 遺言の保管料
- 年間約5000円〜1万円
- 遺言の内容変更手数料
- 約5万円〜10万円
- 遺言執行の報酬
- おおむね相続財産の0.5%〜2%程度(相続財産の額によって変わる。最低報酬が100万円〜150万円程度。)
※これらに加えて、公正証書遺言作成費用、不動産登記簿謄本・戸籍謄本などの請求費用も発生します